相続法の改正によって何がどう変わったのか?

みなさんは相続法が40年ぶりに大改正されることになったのをご存知でしょうか?

これまでに相続税法についての改正が行われたりもしていましたが、相続法自体が大きく改正されるのは昭和55年以来となり、注目を集めることになりました。

しかし、一般の方からすれば、何年ぶりの大改正ということよりも、具体的に何がどのように変わったのか?

それさえ知れれば良いという方がほとんどだと思います。

そこで今回は、相続法の改正によって何がどう変わったのかについてご説明していきます。

知っておくべき項目は7つ

相続法改正の中でも今回は、みなさんが特に知っておくべき7つの項目をまとめてみました。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1、配偶者居住権

新しく、「配偶者居住権」という権利が認められました。

配偶者居住権とは、配偶者が被相続人の所有建物に住んでいた場合、一定期間、または終身、無償で住み続けることができるという権利です。

少しわかりにくいのですが、建物についている権利を、「負担付き所有権」と「配偶者居住権」にわけ、配偶者以外の相続人が前者を、配偶者が後者を取得できるものとしました。

これにより、配偶者はそのまま自宅に住み続けられるだけでなく、建物の評価額を低く抑えることができるようになり、他の財産も今までより多く取得できるようになりました。

2、自筆証書遺言の負担が軽減

自筆証書遺言を作成する場合、そのすべてを自筆で作成しなければなりませんでしたが、今回の法改正により、財産目録についてはパソコンで作成することが可能になりました。

預金通帳についてもコピーで良いことになり、自筆による負担が大幅に軽減されています。

とはいえ、作成のルール自体が変わるわけではないため、訂正があった場合の訂正手順や、日付を必ず記載するなど基礎的な部分は変わっていない点には注意してください。

3、法務局にて自筆証書遺言の保管がスタート

公証役場が保管してくれる公正証書遺言とは違って、自筆証書遺言は自分で保管しなければなりませんでした。

これが理由で、遺言書を紛失してしまったり、中には改ざん・偽造を疑われるケースもあり、相続問題を複雑化、自筆証書遺言のデメリットとして作成を躊躇させていました。

こうした問題に対応すべく、また、費用のかからない自筆証書遺言の利用を推奨する意味でも、法務局が自筆証書遺言を保管してくれる制度がスタートします。

4、療養看護に貢献した方は金銭請求できるように

これまで、相続人ではない親族が亡くなった方の療養看護に貢献していたとしても、相続人でないというだけで一切の金銭請求ができず、たびたび不公平であると問題視されていました。

こちらも今回の改正により、相続人ではない方であっても、無償で継続して被相続人の療養看護に貢献した場合(いわゆる寄与があった場合)は、金銭の請求ができるようになりました。

遺産分割協議の際は、請求された金額を遺産総額から差し引いた後、分配する形になります。

5、自宅の生前贈与が特別受益の対象外になる

婚姻期間が20年以上の夫婦の間において、所有者からもう一方に自宅の遺贈および贈与がされた場合、通常は特別受益があったとして持ち戻し計算(贈与された財産を計算上一旦相続財産に戻して具体的な相続分を算定すること)がなされることになっていました。

しかし、今回の改正で、自宅の生前贈与は特別受益の持ち戻し計算の対象外となります。

その他、特別受益に関することで知っておきたいのが1つあります。

それは、これまで遺留分を算定する際、特別受益に当たる贈与があれば期限などは関係なく対象になっていましたが、これからは相続開始前10年以内のものに限られることになりました。

6、配偶者短期居住権

配偶者短期居住権とは、相続開始時、被相続人が所有する建物に配偶者が住んでいたい場合、遺産分割が終了するまでの期間は、そのまま無償で住み続けることができる権利です。

なお、相続開始から6ヶ月以内に建物を誰が相続するか決まってしまった場合は、相続開始時から6ヶ月を経過する日までは、無償で住み続けることができます。

7、遺産分割前でも預貯金の一部が受け取れる

これまでは、遺産分割前である場合、原則的には被相続人名義の預貯金を受け取ることができませんでした。

たとえ使途が、配偶者の直近の生活費や葬儀費用の支払い、被相続人名義の借金の返済であっても、払い戻しは受け付けてもらえなかったのです。

しかし、今回の改正によって、遺産分割前であっても、一定額については家庭裁判所を経ることなく、金融機関から直接払い戻しが受けられるようになります。

相続開始日に要注意

相続法の改正によって、上記のような点が変更されます。

もちろん、その他に変更になる点も多く、それらすべてを網羅するのは簡単ではありません。

また、施行日についても段階的となっていて、いつ相続が開始したかによって、どの法律が適用されるのかが異なる点にも注意です。

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