寄与分の基礎知識と計算について 

相続では、たびたび「寄与分」が問題になることがあります。

寄与分とは、被相続人の財産の維持や増加のために貢献した相続人がいた場合、その貢献分について他の相続人よりも多く相続財産を得られる制度のことです。

たとえば、被相続人の介護のため数年間一緒に住んでいた長女がいたとして、何もしていなかった長男と相続分が同じでは不公平といえます。

相続では、こうした不公平を埋めるために寄与分を認めているのです。

というわけで今回は、この寄与分の基礎的な知識と簡単な計算方法についてご説明していきます。

寄与分が認められる例とは?

では、実際にどういった場合に寄与分が認められることになるのでしょう。

法律上は、以下の3つの要件を満たした場合に寄与分を認めることとしています。

  • ①相続人から被相続人への寄与行為があった
  • ②その寄与行為が特別の寄与(無報酬であるなど)であった
  • ③その寄与行為によって被相続人の財産が維持、もしくは増加した

ここでいう特別の寄与とは、具体的に以下のような種類があります。

1、家事従事

家業(農家だったり商工業だったり)に従事することで寄与が認められる場合があります。

具体的には、無償で継続して、かつ専従性があり、特別な貢献があった場合とされています。

2、金銭の給付

被相続人が営んでいた事業などについて、相続人が財産上の給付をした場合です。

たとえば、不動産購入の援助や、施設入所費用、医療費用の負担などが挙げられます。

3、療養看護

被相続人が病気療養中などに、相続人が療養看護に尽くした場合です。

ただし、もとから被相続人と同居しており、単に家事の支援をしているといった場合は、寄与分は認められません。

療養看護が寄与と認められるためには、療養看護に必要があり、無償で継続、そして専従性が認められる場合のみとなっているので注意が必要です。

4、被相続人の扶養

被相続人に生活能力がない場合に、相続人が扶養を行い、財産の維持に貢献したとなれば、これは寄与に該当します。

同居して衣食住の負担をしていた、定期的に仕送りをしていたといった主張をするのが一般的です。

ただし、療養看護の場合と同様、扶養に必要性があり、無償で継続、そして専従性が認められなければ、寄与があったとは言えません。

5、財産管理

財産の管理能力がなくなった被相続人に対し、財産を管理することで財産の維持に貢献した場合、寄与があったといえます。

たとえば、不動産の賃料管理などがこちらに該当します。

ただし、こちらも上記と同様、財産管理の必要性があり、無償で継続していた事実が必要となります。

6、その他の寄与

上記の例がすべてではありません。

各々の事情により特別な貢献だと認められるケースが現実にもあります。

ただし、その多くは調停や審判、裁判といった法的手続きの末に認められるケースが多いため、寄与分の主張というのはなかなか難しい側面があります。

寄与分は遺産分割協議にて主張

寄与分について必ず注意しなければならないのが、必ず認められるわけではないという点です。

基本的には、遺産分割協議にて他の相続人に対して主張していくことになるのですが、他の相続人からすれば、寄与分を認めるイコール自身の取り分が減ることに繋がります。

さらには、遺産分割協議は相続人全員が同意する必要があり、人数が多い場合、寄与分を認めてもらうのには困難を伴います。

納得しない相続人がいる場合、調停や裁判といった手続きも視野にいれなければなりません。

弁護士といった専門家に相談するのも良い解決策の1つになり得ます。

寄与分の金額の確定について

寄与分の金額の確定についてですが、実は法律で細かな決まりがあるわけではありませんし、仮に調停や裁判手続きを経た場合であっても、寄与の時期や相続人の負担、その結果といった一切の事情を鑑み、結論を導き出すため、一定の方法はありません。

よって、こちらも基本的には遺産分割協議にて話し合われることになります。

もちろん相続人全員の同意が必要です。

ただ、一般的には、寄与のために負担した金額がわかればそれをそのまま、寄与による財産の増加額がわかればこちらもそのまま、寄与の際に負担した金額が領収書などでわかればその金額、といったように、証明できる資料があればそのまま反映させるケースが多くなっています。

もし、寄与分を主張されたいという方は、こうした証明資料は必ず手元に残しておきましょう。

寄与分の計算方法

最後に寄与分の計算方法についても見ていきましょう。

無事に寄与分の金額が確定できたら、その金額を相続財産の中から差し引きます。

そして残った相続財産を法定相続分で割るなどし、分配をしていくのが寄与分の計算方法です。

たとえば、相続財産が1000万円あり、被相続人の子どもA、B、Cがいたとします。

このうち、Aに寄与分400万円が認められました。

この場合、相続財産の1000万円からAの寄与分400万円を差し引きし、残った600万円を法定相続分で割ると、それぞれが200万円ずつ得ることになります。

よって、Aが600万円(寄与分400万円+法定相続分200万円)、Bが200万円、Cが200万円の取り分となります。

このように、寄与分は金額の確定さえできてしまえば、計算自体はシンプルでそれほど難しいものではありません。

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