遺言書作成は専門家に依頼したほうが良いのか?
遺言書の作成を検討する際、「専門家に依頼したほうが良いのだろうか…?」といったお悩みを抱えている方はたくさんいらっしゃいます。
遺言書というのは、自分自身で作成することもできますし、「わざわざ費用をかけてませ専門家に依頼する必要もないのでは?」といったお考えの方もいらっしゃいます。
そこで今回は、こうした疑問の答えを出すべく、遺言書作成は専門家に依頼したほうが良いのかについて、弁護士である私が解説してみます。
遺言書作成を専門家に依頼するメリット・デメリット
まずは、遺言書作成を専門家に依頼した場合のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
メリットについて
1つめのメリットとしては、法的なトラブルへの対応が可能という点です。
たとえば、遺言書を作成するといっても、自身の死後、トラブルの置き難い内容にするとなれば、遺留分については必ず検討しなければなりません。
さらには、遺言書は作成のルールが細かく設定されていることからも、1つでも中身に不備があれば無効になる恐れもあるのです。
専門家であれば、こうした点にぬかりはありません。
個人で作成するとなると、法的な観点からの不安は拭いきれないものです。
2つめとしては、遺言書の種類について法的な観点から検討できる点です。
遺言書には、「自筆証書遺言」と公証役場にて作成する「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」と呼ばれる種類があります。
このいずれを選択するのがベストかを相談できるのはまさにメリットです。
さらには、公証役場にて遺言書を作成する場合、一緒に立ち会ってもらうことも可能となっています。
デメリットについて
上記の点からもわかるように、専門家に依頼することで一切不備のない遺言書を作成することができます。
しかし、当然ながら費用がかかってしまうことが唯一のデメリットです。
自分の人生に1度しかない遺言書について、絶対に失敗はしたくない、そのためには費用がかかっても良い、という方は専門家への依頼をおすすめします。
しかし、費用負担はあまりしたくないといった方は、作成の依頼ではなく、まずは相談からしてみてはいかがでしょうか?
当事務所であれば初回相談無料となっていますので、費用負担なく、弁護士である私からアドバイスをさせていただきます。
どの専門家に依頼したほうが良いのか?
実は、遺言書の作成を依頼できる専門家は弁護士だけではありません。
弁護士のほかに、司法書士や行政書士にも遺言書作成の依頼が可能となっています。
では、どの専門家に依頼したほうが良いのでしょう?
専門家の選び方についても検討してみましょう。
行政書士
行政書士は、所謂代書屋と呼ばれるほどで、書類作成の専門家となっています。
たとえば、官公庁に提出する書面の作成、提出代行、代理というのを生業にしています。
当然、一定以上の法律知識がありますし、法的不備のない遺言書作成が可能です。
ただし、行政書士では相続トラブルがあった場合に対応することができません。
遺言書の作成だけでなく、将来へのトラブル防止までを視野に入れるのであれば、弁護士への依頼を検討してください。
そうではなく、相続人が1人しかいないなど、トラブルの心配がないのであれば、行政書士への依頼は良い選択と言えます。
司法書士
司法書士は、行政書士と同様、書類作成はもちろんですが、一般的には登記申請を得意とする士業です。
よって、相続財産の中に不動産がある場合、相続後に相続人が行う不動産登記を見据えて、司法書士に遺言書作成を依頼するというのは良い選択です。
また、預貯金や株券といった財産ではなく、不動産が相続財産のメインである場合も、やはり司法書士への依頼が良いでしょう。
しかし、司法書士によっては遺言書作成は行っていない事務所も多く、すべての司法書士が対応してくれるわけではないため、事前に確認してから依頼するのが良いでしょう。
また、司法書士も行政書士と同様、相続トラブルへと発展した場合は対応することができません。
争いが生じた際に対応できるのは弁護士だけとなっていますので、相続関係が複雑だったり、相続人同士の人間関係があまりよくない場合は、将来のトラブルを見据えて弁護士に依頼するのが良いでしょう。
さらに言うなら、せっかく将来のトラブル防止を目的として遺言書を作成するにもかかわらず、遺言の内容次第で逆に争いを誘発してしまうという本末転倒な事態も多々存在します。
この意味で、形式的な合法性の問題だけではなく、よりトラブルを招きにくい遺言の内容についてもアドバイスが可能なのは、専門家の中で唯一トラブル案件を相続事件として受任することが認められ、従ってこれを数多く経験している弁護士だけといえるでしょう。
遺言書作成に失敗しないために
遺言書作成に失敗しないために、作成を専門家に依頼するのは非常に良い選択です。
しかし、費用もかかってしまうことから、依頼を躊躇される方がいるのは当然といえます。
そういった場合は、まずは相談だけでもしてみることをおすすめします。
さらにいえば、一度相談をして、この専門家に依頼したいと感じるかどうかを判断材料の1つに加えてみてください。
専門家といっても人間であることに変わりはありません。
なんとなく信用できない、そんな印象を受けた相手に依頼をする必要はないのです。
遺言書作成に失敗しないためには、ただ専門家に依頼すれば良いのではなく、その専門家を見極めることも必要になります。
現在は、当事務所のように初回相談を無料で行う専門家事務所が増えてきていますので、「まずは相談してみること」を強くおすすめします。